[R15] 帝国軍の女帝気質の女天才元帥、滅亡寸前の銀河帝国に召喚される – 1章 1節 1話*召喚

前書き

執筆中

成人女性向け – ハード – R15

第1節 召喚(第1章 始まり)

第 1 / 1 話

約 3,200 字 – 5 場面 (各平均 約 640 字)

1/5. 暇だ……

暇だ……。

グローヴァー帝国軍の女元帥ヴィクトリア・スペンサーは自身の執務室で自身にとって唯一の強敵である「退屈」に苦しめられていた。

*ヴィクトリアの帝国軍での役職は正確には「帝国軍・総司令官」であり「大元帥」である皇帝に代わり帝国陸軍、帝国海軍、帝国空軍を統率している。*

*また当然の事ながらヴィクトリアは「帝国軍元帥」であり陸軍元帥、海軍元帥、空軍元帥の上官。*

退屈なのは昔から変わらないが……。

ヴィクトリアは貴族の出ではなかったものの頭脳明晰だった為平民だったものの陸軍士官学校初等部(小学校)、中等部(中学校)、高等部(高校)、大学部(大学)、陸軍参謀学校(高級将校養成学校)を首席で卒業した。

*当初は平民・女性差別が根強くまたヴィクトリアは気が強く偉そうな為正当な評価が非常にされづらかったもののヴィクトリアの作戦立案に驚かされた将官クラスから目を掛けられ皇帝にも気に入られた事で再評価され首席扱いとなった。というか一部ヴィクトリアによる鉄拳制裁や脅迫なども多分に有った。*

しかしヴィクトリアにとってはただ学ぶだけの学校時代は刺激が薄く退屈だった。

2/3.「今すぐ『』をくれ」

その為ヴィクトリアは陸軍士官学校卒業時点で――。

「参謀学校への進学よりも今すぐ小隊をくれ」

――小隊長少尉として前線に出ようとしていたのだが頭脳明晰なヴィクトリアを失いたくなかった陸軍士官学校長ヘクター・アームストロング陸軍中将は――。

「貴殿に相応しい部隊はいずれ必ず与えるし要望も出来る限り聞く。だから今はいずれ部隊を、いや、ゆくゆくは司令官となれる様に参謀学校に進んでくれないか?」

――ヴィクトリアからの要望を出来る限り聞く事を条件に陸軍参謀学校への進学を何とかして取り付けようとし――。

「仕方が無い。だが約束は必ず守れよ」

――ヴィクトリアは高級将校になるには参謀学校への入学が必須なのは重々分かっていたし本当は小隊長から成り上がりたかったのだが今は大人しく従う事にした。

「わ、分かっている……」

ヘクターは約束を破ればヴィクトリアに殺されてしまうのではないかと思ってしまう程気圧されていたしヴィクトリアにはまぁ致命傷は避けるが撃つ覚悟は出来ていた。

*ヴィクトリアは陸軍士官学校の初等部から相手が誰であっても命令口調であり学校側が何度も矯正しようとしたものの結局失敗に終わってしまったのだが軍隊は体育会系の世界で力こそ正義なところが有りヴィクトリアは文武両道に秀でていたし「冷酷美人な狂犬」として恐れられその評判が広がるにつれ周囲もしぶしぶと受け入れていった。*

3/5.「『』おめでとう」

そして陸軍参謀学校長マーティン・イーグルトン陸軍大将に呼ばれたヴィクトリアは――。

「スペンサー少佐、卒業おめでとう」

――卒業を祝われたが――。

*参謀学校は言わば高級将校の為の大学院の様なもので常に作戦などの研究や意見交換、作戦発表、昇進や配属される毎に研修も行われていて卒業という概念は有って無い様なものだった。*

*しかし少佐以上の高級将校になるには必ず卒業しなければならないし出世し続けるには参謀学校からの高評価が必須だった。*

「御宅はいい。要件を言え」

――全く嬉しくはなかったし要件を早く言ってほしかった。

「そう言うと思っていた。――ごほん。喜べ。貴殿は現場に出る事を希望していたが貴殿が配属されたい軍、軍団、師団、旅団の中から好きな作戦部への辞令を下す。もちろん陸軍元帥府や帝国軍元帥府でも構わない」

マーティンはヴィクトリアの作戦参謀としての才能を活かしたかったし事実上陸軍のいかなるレベルの作戦部へのフリーパスを与えた。

「アームストロングにも言ったが私は自分の部隊が欲しい。士官学校を卒業した時に約束した参謀学校への入学条件のはずなのだが」

ヴィクトリアは前線での戦いに飢えていた為作戦部への辞令は全く魅力的に映らなかった。

「もちろんヘクターから話は聞いているが何度も言っている様にスペンサー君には作戦参謀としての才能が有る。だから君の様な人材を前線で失いたくないのだよ」

マーティンはヴィクトリアには自軍の兵力と兵站を完全に計算し敵軍の兵力と兵站も把握した上で作戦の最適解を導き出せる才能が有ると見抜いていて作戦立案に集中させたかったのだが――。

「約束を守れ。私の部隊を用意しろ。さもないとこの場で貴様を撃つぞ」

ヴィクトリアはマーティンに躊躇無く拳銃を抜き突き付け自分の部隊を要求した。

「分かった。部隊を用意する。だが指揮官の職は階級に依存するし戦時中とはいえ極力特別扱いは出来ない。そして貴殿は現在参謀学校を卒業したてで階級も少佐だ。よって与えられる部隊も大隊からになるが構わないな?」

ヘクターは戦場を経験している為拳銃を突き付けられても平気だったし冷静に確認事項を提示した。

*作戦部であれば少佐であっても陸軍参謀本部や統合参謀本部にすら配属させられるのだが指揮官や司令官となると代表者はわずか一人のみであり部隊を持つには相応の階級が必要だった。*

「構わない。急ぎ手配しろ。では失礼する」

ヴィクトリアは提案に満足し拳銃を下ろし退室していった。

4/5.「今度の大隊長はあの『』らしいぞ……!」

「今度の大隊長はあの『半殺しの狂犬』らしいぞ……!」

「マジかよ……」

「天才でドSの超美人らしいぜ。最高じゃねぇか!」

新たに編成された大隊に配属された者達はヴィクトリアが大隊長になると聞いてある者は恐怖しそしてまたある者は名誉な事だと歓喜していた。

*ヴィクトリアは帝国軍で女性の兵士でありながら狂犬キャラだけでなく神童や天才参謀としても知られていて、もちろん帝国軍が新進気鋭の女性将校を宣伝に使わない訳が無くヴィクトリアの存在は大半の兵士が知っていた。*

そして大隊を預かったヴィクトリアは――。

「私はヴィクトリア・スペンサー少佐。この大隊の大隊長だ。そして私の命令は絶対だし、私の事を女だと思って舐めた真似をした奴は半殺しにすると今の内に言っておく。良いな?」

――隊員達に言っておきたかった事を言い切る様にして挨拶をした。

「イェス!マム!」

隊員達は女性の上官に対して使う言葉で返事をした。

5/5.「この戦争に勝ちたければ私をもっと『』にしろ!」

そしてヴィクトリアは大隊長少佐になってからというもの次々に前線を突破し大隊長中佐、連隊長中佐、連隊長大佐と昇進していった。

「この戦争に勝ちたければ私をもっと上の司令官にしろ!」

そしてヴィクトリアは上官の机を叩いてそう豪語しながらも着実に成果を出し続け第1旅団長准将、第1師団長少将、第1軍団長中将、第1軍司令官大将になりまもなくパラディール帝国の首都ベタンクール、遷都ルモワーニュを陥落し戦争を終結させた。

-続きは執筆中-

後書き

ヴィクトリアは陸軍士官学校卒業時点で騎士爵位を授与、陸軍参謀学校卒業時点で準男爵位を授与されているので既に準貴族です。

またグローヴァー帝国軍の准将になった時点で男爵、少将で子爵、中将で伯爵、大将で侯爵、陸軍元帥(陸軍総司令官)で公爵、帝国軍元帥(帝国軍総司令官)で大公爵になっています。

またグローヴァー帝国で大公爵なのは「皇太子」、「宰相」、「帝国軍元帥」、「貴族院長」、「憲法院長」の5人だけです。

またグローヴァー帝国軍は軍令(戦闘)を帝国軍元帥、陸軍元帥、海軍元帥、空軍元帥が担っていて軍政(サポート)を帝国軍大臣、陸軍大臣、海軍大臣、空軍大臣が担っています。

またグローヴァー帝国では軍令が上で軍政が下です。つまり元帥の方が上で大臣の方が下です。

ちなみにヴィクトリアは軍人になりたくて本能的に士官学校の初等部を受験していて入学出来たのは素質を問う問題で大胆な作戦立案や既に戦術や兵站への深い理解が有り試験官からの「将来陸軍でどの地位に就きたいか?」という問いに対し「皇帝」と答えていた事で底知れぬ野心やある種の可愛さや興味を買われていた事も大きいです。正に「この子は将来大物になる……!」ってやつです(笑)