[R15] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 3節 4話 地球の女神 – 拉致 (アン視点)
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青年男性向け – ソフト – R15
第3節 幼馴染 (第1章 勇者の村)
第 4 / 13 話
約 8,800 字 – 13 場面 (各平均 約 670 字)
1/13.「ちょっと『』……!いる……!?」
「ちょっと凛穂……!いる……!?」
アンは扉の外で待機しているはずの凛穂に声を掛けた。
「はい……!おりますが何でしょうか……!――」
凛穂は裕太への忠誠心から聞き耳は立ててはいなかった為部屋の中がどうなっているのか全く分からなかったのだがアンの声の様子や裕太の前でアンと凛穂に繋がりが有る事を明かす様な真似をするのはよっぽどの事だと思い急いで扉を開けると――。
「――あの……裕太様はどちらへ……?」
――裕太がいなくて驚いた。
もちろん凛穂は世界がモノクロになっている事に気付いていたが何が起こっているのかさっぱり分かっていなかった。
「知らないわよ……!私が訊きたいぐらいなの……!一体どうなってるのよ……!」
アンは突然の事に大変戸惑っており凛穂から何が起こっているのか聞きたかった。
「アン様、一先ず落ち着いてください。深呼吸です」
凛穂はパニックを起こしたアンへの対処方法が分かっており深呼吸を促した。
「そうね……!」
アンは深呼吸をして落ち着きを取り戻していった。
そして凛穂はアンが落ち着くのを待ってから――。
「それでアン様、一体何が有ったんですか?」
――アンに大事な事を訊いた。
「なんか変な男?が裕太を連れ去っていっちゃってそしたらその直後にこうなっちゃったのよ……!」
アンはあの男の事を話した。
「変な男……!?裕太様が連れ去られてしまった……!?一体誰がそんな事を……!」
凛穂は裕太を連れ去りそうな人物を脳内検索して必死に探そうとした。
「私が知ってる訳無いでしょ……!」
アンは自分が訊きたいぐらいであの男への怒りも有りイライラしていた。
2/13.「『』までは調べられそうにありません」
「転移魔法の残滓を感じますが転移先までは調べられそうにありません」
凛穂は魔力を追って裕太の椅子の傍まで寄り転移魔法が行使された事は分かったものの転移先までは掴めそうになかった。
「じゃあどうすんのよ……!」
アンは凛穂にどうにかしてほしかった。
「一先ずその方の特徴を教えてください」
凛穂としては現段階で転移魔法で追跡する事は不可能だと判断し情報収集に努めたかった。
「なんか『いたずら好きなガキ』って感じ?」
アンにとっての第一印象はその様な感じだった。
「『いたずら好きなガキ』ですか……これはおそらくですが犯人はこの魔法精度と追跡対策能力からして只者ではありません。おそらくどこぞの『天使』か『神』の犯行かと」
凛穂は状況証拠からしてこの星の民は魔法が使えないしどこぞの天使か神の犯行であると推理していた。
「一体どこの誰がそんな事したのよ……!」
アンは待ちわびていた時が台無しにされて非常に憤っていた。
そして一通り状況が整理出来たところで――。
「分かりません。あとこの時間停止魔法はアン様が?」
――時間停止魔法を使ったのがアンかどうか訊いた。
「私の訳無いでしょ……!」
アンは時間操作魔法有意義性が全く分からず一度も練習もした事が無く当然アンに使える訳が無かった。
「そうですか……」
凛穂は十中八九アンが行使した魔法ではないと思ってはいた。
3/13.「これは『』からの通告です!」
するとアンと凛穂の目の前にヴン!と魔力モニターの通告が表示され凛穂は少し目を通すと――。
「アン様!これは世界神政府からの通告です!」
――世界神政府からの通告である事が分かり慌ててアンに知らせた。
*ティアラの世界神政府はパニックを最小限に抑えるべく通告先を星神と天使長のみにしていた為この星ではアンと凛穂しか知らない事だった。*
「え……!?これママからなの……!?」
アンは凛穂が読んでくれるだろうと思い目を通す気が無かったのだがティアラからの通告だと分かった途端に読む気が湧いてきたものの自分で読むのはやっぱりめんどくさくて凛穂に読んでほしかった。
「はい。しかし厳密には政府からの通告ですが、要約すると『神クロノスがデスゲームを行う為科学の世界の全域から天才や高能力者を拉致している事が判明し神と天使以外の時間停止を実施。全世界の神と天使は当局による対処が完了するまで自宅や公的亜空間などで待機を。また当事者におかれましてはくれぐれも捜索隊を派遣するなどせず治安維持と当局による対処へのご協力を』との事です」
凛穂はアンが自分で読みたがらないのは分かっていた為要約して話した。
「は……!?ただ待ってろって事……?私裕太の事6000年だか8000年も掛けて取り返したばかりなのに……?」
アンはまた裕太を失う事になってしまって大変やるせなく感じていた。
「はい。非常に残念ですが通告の内容からして世界規模の様ですし我々だけでは対処出来る範疇とは思えません。それに何よりティアラ様の意向でしょうから従うしか無いでしょう」
世界政府からの通告はティアラの言葉も同然であり凛穂としては従わないという選択肢は無くまぁティアラ様なら何とかしてくれるだろうという期待が有ってアンに世界政府の指示通りに事が片付くまで待機してほしかった。
「ふざけんじゃないわよ……!私はママんとこに怒鳴り込んでくるから凛穂とみんなは亜空間にいなさい!あとみんなにもちゃんと伝えておく事!んじゃ!」
アンは黙っていられる訳が無く凛穂は待機と伝達の指示をしてから転移魔法で世界神政府の有る亜空間へ転移していった。
(はぁ……アン様ったら全く……)
アンは凛穂の許可を待たずに転移していってしまい呆れたもののその行動力や裕太への思いに感心し少しだけ頼りがいの有る上司だなと思ったのだった。
4/13.「ちょっと人が多過ぎでしょ……!」
そしてアンはその亜空間の都市へとテレポートしたのだが――。
「ちょっと人が多過ぎでしょ……!どうなってるのよ……!」
――非常事態という事も有り少しでも情報を集めようとしているのか都市に神々が集結していて転移が殺到している為か政府庁舎近くにテレポートした。
*アンはティアラに用が有る為政府庁舎近くにテレポート出来たが情報収集目的の場合もっと遠くに転移させられる事になりそれだけ神や天使が殺到しているという事。*
そしてアンの近くの大型の魔力モニターでは――。
「続きまして現在の記者会見の様子をご覧ください」
――ニュースキャスターが大事件を報道していて――。
――そして記者が――。
「容疑者とされる『神クロノス』とは一体何者なんですか?」
――と政府報道官に質問し――。
「報告が上がり次第お伝えします。それでは次の質問をどうぞ」
――と政府報道官は答え――。
――そして別の手を挙げた記者が当てられ――。
「容疑者は『デスゲーム』を開催する事を目的として天才といった人材を拉致しているとの事ですが開催前に取り返す目途は立っているのでしょうか?」
――と別の記者が質問し――。
「捜査目標は分かりませんがそれを目途に捜査当局は捜査に当たっていると伺っております。それでは次の質問をどうぞ」
――と報道官が答え――。
「世界神政府は損害の補填、また今回の事態への神々への協力金の支払いを行う予定は有りますか?」
――とまた別の記者が質問し――。
「損害の補填につきましては検討していると伺っておりますが協力金につきましては伺ってはおりません。それでは次の質問をどうぞ」
――と報道官答えていて――。
「こりゃひでぇな」
――アンは周囲からそうボヤく声も聞こえてきた。
5/13.「ちょっと私は『』に用が有るんだからどいて!どいてよ……!」
そしてアンは――。
「ちょっと私は『』に用が有るんだからどいて!どいてよ……!」
――人混みの中を潜り抜けてようやく大きな政府庁舎内に入る事が出来たのだが――。
「おい……!どうなってるんだ……!もっと具体的に説明しろ……!」
「復旧はいつになるの……?」
「クロノスって誰なんだよ……!早く捕まえろよ……!」
「うちの優秀な子達はいつ帰してくれるの……!」
本当に大変な事になっているわね……。
――説明を求める者や攫われた人を早く返してほしい神々で溢れ返っていた。
*神クロノスは超優秀な人材だけピンポイントで拉致しており当然その保有者は裕福な神である事が多い為庁舎まで駆け付けている神は作業を突然中断させられて憤っている者も多いが当然ながら保有者としての裕福な者が多かった。*
「大変申し訳ございませんが私共からは通告内容以上の事をお話しする事が出来ません!自宅などで待機し続報をお待ちください!」
殺到している神々の対応に当たっている者達も忙しそうに必死に応対していたが――。
「ふざけるなぁ……!」
「うちの可愛い子達を早く帰して……!」
――神々の怒りは沈まる気配が無かった。
6/13.*「ねぇ、『』。聴こえてる?」*
そこでアンは自分が被った被害を把握しようとして――。
*「ねぇ、凛穂。聴こえてる?」*
――凛穂に念話を送った。
*「はい、聴こえています。御用件は何でしょうか?」*
凛穂は他の天使達と緊急事態に対処していたのだがアンからの念話に応じた。
*凛穂には緊急停止の段階で他の天使達からの念話が殺到していたのが緊急事態の為その時はあえて念話には出ずにいた。*
*また念話がくる際応答するか選ぶ事が出来る為突然話し掛けられてビックリするという様な事は無い。*
*また連絡自体はステータス画面の様な魔力モニターからも行う事が出来るのだがポチポチ押すのは手間の為神々や天使達の間の連絡では親しい間柄の場合はほとんど念話で行われている。*
*「いやあのね、今庁舎に来てるんだけど凄い事になってて、私の星からは誰が誘拐されたのかな?って気になっちゃって」*
アンも怒声に加わろうにも自分の被害の全貌が分からない事にはどう怒鳴るかが分からない為今の内に知っておきたかった。
*「私も報道は観ています。それでアン様の星からは誘拐されたのはおそらく裕太さんともう1人おり計2人と思われます」*
凛穂は凛穂で報道内容と惑星内の被害状況を把握していた。
7/13.*「え……?もう1人って誰……?」*
*「え……?もう1人って誰……?」*
アンは裕太以外にも誘拐された人がいて驚いた。
*「IQ214、数学オリンピック金メダル6個、ハーバード大学主席入学、20代で同大学の経済学教授だそうです」*
凛穂は驚きながらその人物の経歴を挙げた。
*「え……ヤバくない……?裕太より」*
アンはついその者の経歴を聞いた限り推しの裕太よりも凄いのではないかと思ってしまった。
*(カチン……それは聞き捨てならないわね……せっかくアンが来てくれたから私が直々に迎えに行こうとしていたのに……)*
アンと凛穂の念話を盗み聞きしていたティアラはアベルの悪口を言われた様で本当にカチンときてしまった。
*「アン様、私は経歴だけでは人の価値は推し量れないものだと思っています。それに私は彼が会社を経営している事で多くの人が生活出来ている事の方が素晴らしい事だと思っていますから」*
凛穂は裕太が社会貢献の為に会社を経営している事を知っている為凛穂にとっては例え裕太より経歴などが凄かろうと裕太への気持ちは揺ぎ無いのだった。
*(そうよそうよ。上辺しか見れないアンにもっと言ってやりなさい)*
ティアラは凛穂が正論で言い返してくれてアベルの名誉が回復出来た様で心が浄化された。
8/13.「えっと……『』の方が役に立ってるって事……?」
*「えっと……高級レストランより安いレストランの方がみんなのお財布に優しくて役に立ってるって事……?」*
アンは自分なりに例えてみたのだが――。
*「私もう聞いてられないわ……」*
――それを聞いたティアラは激昂し――。
*「裕太さんが『格安料理店』ですか……」*
――凛穂は呆れた。
そしてティアラは――。
「アン!そこで何をしているの!」
――上の階からロビーにいるアンに声を掛けた。
「あ!ママ!」
アンもティアラを見付けて声を掛け――。
*「ママ見付けたから念話切るね!じゃ!」*
――凛穂との念話を一方的に断ち切った。
*(はぁ……)*
凛穂はアンの身勝手さにもまた溜息を吐いたのだった。
9/13.「『』様ー!」
そしてティアラの声とアンという名で気付いた神々がティアラを見付け――。
「ティアラ様ー!」
「世界神様ー!」
皆々ティアラに声を掛けたのだったが――。
「緊急停止っていつまでですか……?」
「誘拐された子達をどうか助けてください……!」
「クロノスの野郎をやっつけてくれ……!」
――瞬(またた)く間に陳情(ちんじょう)の場になってしまい――。
――ティアラとしてはこの場を納める為――。
「皆様、政府庁舎までお越しいただきありがとうございます。この度の神クロノスによる本事案につきましては只今当局が事に当たっております。従いまして本事案が解決し緊急停止が解除されるまでは各自お好きな場所でお待ちいただきますようお願い申し上げます」
――誰がどう見ても立派な女神の如く演説すると――。
「頑張ってくださいティアラ様ー!」
「大人しく自宅待機しまーす!」
――ロビーは歓声に包まれ怒声は止んだものの――。
(……)
――その側にいたプリシラの表情は曇(くも)ったままだった。
10/13.「『』は私の部屋までテレポートしてきなさい」
そしてティアラは――。
「アンは私の部屋までテレポートしてきなさい」
――アンに念話で来る様に言って――。
「うん!分かった!――よいしょっと!」
――アンも素直に応じティアラに続いてテレポートし椅子に座ると――。
「紅茶と茶菓子ですわ。それではごきげんよう」
――プリシラはいつも通り紅茶を淹れ茶菓子もテーブルに配膳すると――。
「ありがとう、プリシラ」
――ティアラはプリシラに感謝を述べ――。
「それでアン、私に何の用かしら?」
――プリシラの退室を見送るとアンに用を訊いた。
「えーっと……あ……!そうだった……!裕太が攫われちゃった……!どうしよ……!」
――アンは目的を思い出し裕太が連れ去られてしまった事を話したがやはり落ち込んでしまっていて怒鳴る気力までは湧かなかった。
「取り返したばかりなのに災難だったわね。でも捜査は進んでるから私としてはアンにはみんなと同じ様に事件が解決するまで待っててほしいわ」
ティアラはアンを憐れむ様に紅茶を飲みつつもアンに冷静な対応を求めた。
11/13.「また『』も待ってるなんて私は嫌よ!」
「また6000年だか8000年も待ってるなんて私は嫌よ!」
アンはもうあんな思いをしたくはなかった。
「気持ちは分かるわ。でもまぁ今回はそんなに時間は掛からないと思うわよ」
ティアラはアンに同情しつつも今回の件については楽観視していた。
「え……?何で……?」
アンにはなぜティアラがそんなにすぐに事件が解決すると思っているのかその根拠が分からなかった。
「アンはそもそも今何が起こってるのか分かってるのかしら?」
ティアラはアンがそもそもこの事件の事を全く知らないのではないかと思っていた。
「分からないから訊きに来たんだけど……!」
アンは何のこっちゃ分からずにいた。
「じゃあ説明するけどクロノスが世界中で凄い人材を集めてデスゲームを開催しようとしてるのよ」
ティアラはアンの様子にやれやれと思いながらも説明を始めた。
12/13.「え、何で?」
「え、何で?」
アンはクロノスの動機が全く分からなかった。
「ほら、貴方の商会で勇者のイベントとかしてて大盛況じゃない?」
ティアラはアンにクロノスの動機を少しでも理解させてあげたくてアンが考えやすい様にアンの商会の事業を引用しようとした。
「あー!うん。で?」
アンはそれでもまだ理解出来なかった。
「ああやって凄い人材が戦っているのを見るのが好きな神々も世の中にはいるのよ」
ティアラはこの説明でアンが納得してくれるだろうと思っている。
「へー。でも『デスゲーム』なんでしょ?死なせちゃったら元も子も無いじゃない!」
アンはクロノスの動機についてはティアラの説明である程度納得したものの不可解な事も有った。
「中には命が掛かっている様な死闘を好む神々もいるのよ。まぁ魂さえ回収出来れば何度だってやり直せるから大丈夫よ。それに体を複製して魂だけ移してゲームをして終了後に五体満足で返して減刑を求める可能性だった有るのだから」
ティアラは達観していて余裕そうに紅茶を飲んだ。
「そ……で、いつ頃裕太は帰ってくるの?」
アンはいつ裕太が帰ってくるのかという事にしか興味が無かった。
「そうねぇ……まぁデスゲームの内容にもよるとは思うけど今日から1、2か月以内には終わるんじゃないかしら?」
ティアラはこの世紀の大イベントは長期間開催してグダらせるなどとはデスゲーム好きのクロノスならやらないだろうと思っていたしアベルにそれ以上の長期間の苦痛を強いらせるつもりも無かった。
13/13.「『』を捕まえたらそんなに掛からないって事よね?」
「でもママがちゃちゃっとクロなんとかを捕まえたらそんなに掛からないって事よね?」
アンは1、2カ月も待つつもりは無かったしティアラなら何とかしてくれるだろうと思っていた。
「まぁ善処するわ……とりあえず貴方は自宅で待機してなさいね。この際だからお友達と遊ぶのも悪くはないと思うわよ。まぁ裕太君ならきっと優勝して帰ってくるわ。信じて待ちましょうね」
ティアラは世紀の大イベントでアベルが活躍する姿を見たかったしそもそもの最優先目標の為にも閉幕するまで事を起こすつもりは無くイベントをぶち壊してイベントを楽しみにしている神々からの不興を買う事もしたくはなかったがいずれにせよ余裕そうに紅茶を飲んだ。
「そ、そうね……!」
アンは裕太の事を頼りにしてはいるものの裕太があのアベルだとは全く思ってもいない為非常に不安になりながらも紅茶をすすり茶菓子を食べていったのだった。
不安だわぁ……。
私と会う前に他の女に取られないと良いけど……。
アンは裕太が他の女に取られてしまう事が心配だった。
それに裕太はハイランクだなんだって皆からの評価が高いけれど、私にはいまいちピンときてないのよね……。
それもそのはずアンは裕太が活躍していた時は寝ていたりめんどくさがったりしてその光景を見ておらず、勇者学の授業も右から左で全く覚えておらず勇者の絵本だとかもあまり興味が無いためその事もあまり知らず、他の勇者を見た事も無いので基準がバグっていた。
かくしてアンは非常に不安になりながらも紅茶をすすり茶菓子を食べ満足し自宅に帰ると再び裕太の帰還を待つ事となったのだった。
そしてもちろんティアラは例の件についての怒りはまだ収まっていなくて執務室での会話でひと段落付いた後――。
「ところでアンは今回のデスゲーム、誰が優勝すると思う?」
――アンに誰が優勝すると思うか訊いてみた。
「んー。私の星でIQ200なんとか、数学なんとかオリンピック金メダル6枚?ハーバーなんとか大学主席?20代で教授?の人も拉致されたんだけどその人が優勝するかも……?」
アンは何となく自分が知ってる範囲内で優勝者を予想してみたのだが――。
「裕太君を信じられないなんてあなた女神失格よ……!この大馬鹿ものー!」
――ティアラにこっぴどく叱られたのだった。
そしてその一方でマナリスの自宅では――。
*(アンさんの交渉は上手くいったのでしょうか……わたくしの愛しのアベル様との出会いが待ち切れません……!)*
――アンがそんな状況になっているとは知らず裕太がいつテレポートしてきても良い様に病弱のフリをして待機しているマナリスの姿が有るのだった。
後書き
アンはそもそも最初のテレポート時ティアラのいる場所へとテレポートしようとしたのですがティアラがプリシラなど関係者以外立ち入り禁止の状況だった為テレポート拒否の状態にあり自動的に政府庁舎近くへとテレポートしたという感じです。
またテレポート先が政府庁舎周辺になった事もアンは感覚的にOKしてテレポートしています。
また天界では自分の星の運営に熱中し天界の大事件を全く知らない者も多くいる他世紀のデスゲームが行われる事にワクワクしどこで楽しめるのかと暗黒街で情報を多く集めようとしている者達や誰が優勝するのかを賭ける賭場を開こうとする者達、その賭場で優勝者を当てて大儲けしてやろうと思っている者達もいるという感じです。