[R15] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 3節 9話 幼馴染の女神 – 科学の世界の女神 (優美華の視点)
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青年男性向け – ソフト – R15
第3節 幼馴染 (第1章 勇者の村)
第 9 / 19 話
約 8,800 字 – 12 場面 (各平均 約 730 字)
1/12.「『』する為の亜空間です」
デスゲーム終了後――。
「ここは神や天使が利用する為の亜空間です」
――セーナは優美華に施設内を案内し始めた。
「『亜空間』って?」
優美華は分からない用語を訊いた。
「亜空間とは空間魔法により作り出した空間の中でもこの宇宙空間の内外を問わない空間の事で分かりやすく言えば箱の中の箱が亜空間です」
セーナは優美華に亜空間とは何かを説明した。
「箱の中の箱……」
優美華はセーナの説明を理解しようとした。
そして優美華は施設内を歩きながら――。
「優美華様優勝おめでとうございます!」
「優勝おめでとうございます!」
「ありがとう……――」
――優勝した事など全く嬉しくないものの祝福されその都度返事をし――。
「――でここにいる人達は?」
――セーナに施設内の人達の事を訊いた。
「ここにいる者達は優美華様を除き全員が優美華様の配下の天使達です」
セーナはこの亜空間内で働いている者達全てが優美華の配下である事を説明した。
「全員が……」
優美華はこれ程天使がいた事に改めて驚いた。
「はい。多くは今回のデスゲームではスタッフとして駆り出されていましたが普段は食糧部や技術部など数多くの部門が有り適材適所で配置され惑星をコントロールしています」
セーナはスタッフ達やこの施設の役割を説明した。
2/12.「こ、これは……?」
「そう……あ!こ、これは……?」
そうこうしていると突然目の前に魔力モニターが表示された。
「これは世界神政府による通告です。早速優美華様から政府にて事情を聞きたいのでしょう」
セーナは世界神政府が動く事は想定していた。
「でも『皆様におかれましては今しばらく再開をお待ちいただきます様お願い申し上げます』って書いてあるよ?」
優美華は文章に違和感を抱いた。
「世界神政府もこの場所や優美華様の所在を掴めていないのでしょう。なので私達に届く様この世界の各惑星神とその天使長へ向けて全範囲に通告したのだと思われます」
セーナは優美華が抱いた文章の違和感を解説した。
「なるほど……じゃあ私行った方が良いのかな……?」
優美華は偉い人との面会を求められて困惑した。
「おそらくはそうです。また行く際はご指示ください。そして私達がしっかりと優美華様を護衛しますので安全面はご安心ください」
セーナは優美華が世界神政府に伺うとしても精鋭部隊をもってあらゆる脅威から守り切るつもりでいた。
「じゃあ今行く……」
優美華は怖い事続きだがデスゲームで数多(あまた)の死線を潜り抜けてきておりある程度肝(きも)が据(す)わっていたのも有って行く覚悟はすんなりと出来たが裕太の言っていた「いずれやらなければならない事ならなるべく早くした方が良い」という格言に倣(なら)った。
「しかし世界神政府が優美華様の神格をクロノス氏による犯罪上で取得したものとして没収したり何らかの不利益を被(こうむ)る可能性が有りますが宜しいのですね?」
セーナは一応考えられる優美華が被りそうな当庁による不利益についてを例に挙げ優美華に覚悟を問うた。
「はい……!」
優美華はとっくに覚悟が出来ていた。
かくして優美華はセーナを筆頭とする精鋭部隊をもって世界神政府へとテレポートした。
3/12.「あらいらっしゃい『』ちゃん♪」
するとそこはいきなり世界神ティアラの執務室で――。
「あらいらっしゃい優美華ちゃん♪天使ちゃんもよく来たわね。私がこの世界の世界神で名はティアラよ♪」
――ティアラは優美華御一行を歓迎し自己紹介した。
「は、初めまして……世界神ティアラ様……優美華と申します……」
優美華はテレポート先が執務室だった事や世界神のティアラが目の前にいる事やその女性が自分の名前を知っている事に驚きつつも自己紹介した。
そしてセーナは神々の会話に口を出すつもりは無くコクリと頷き周囲を確認すると――。
(精鋭部隊を連れてきたはずが……!)
――自分以外の精鋭部隊の姿が無く焦った。
「ここは私の部屋だからね。大人数を連れて来られるのは困るの。もちろん政府の入り口から入るのは目立っちゃうだろうし。だから優美華ちゃんとセーナちゃんだけを私の部屋に招く事にしたのよ♪」
相手の心を読むのがお手の物であるティアラは事情を説明した。
「承知しました……」
セーナはティアラには上の次元からテレポートを操作された上に既に自分の名前も知られており敵(かな)わないなと本能的に悟った。
「それじゃあ優美華ちゃんもセーナちゃんも座ってどうぞ♪」
ティアラはソファを手で指し示した。
「はい……」
優美華は恐る恐る素直にティアラの指示に従ったものの――。
「自分は立っています……!」
――セーナは圧倒的格上である神 優美華の隣に座るなど畏(おそ)れ多くて出来なかった。
「私は座ってほしいわ♪」
ティアラはセーナに遠慮してほしくなくて笑顔でそう言ったのだが――。
「承知しました……」
――セーナはティアラの笑みが怖過ぎて素直に従った。
そしてテーブルの上にはプリシラの淹れた紅茶とお菓子が有る。
4/12.「『』お疲れ様♪」
「さて本題だけど優美華ちゃんデスゲームお疲れ様♪」
ティアラは先ず優美華を労(ねぎら)った。
「はい……」
優美華は本当に大変だった為例え相手が世界神だろうと労われてもあまり嬉しくなかった。
「ところで優美華ちゃんはどうして私が優美華ちゃんの名前を知っているのか気にならない?」
ティアラは優雅にカチっとさせて紅茶をすすりながら優美華に質問した。
「気にはなりますが世界神様なら簡単なのではないかと……」
優美華は世界神なら名前を知る事ぐらい造作(ぞうさ)も無いと感じていた為疑問に思わずに受け入れていた。
「まぁ私は鑑定スキルが使えるからね。それにスキルではなく鑑定魔法で知る事も出来るけど、貴方の人柄も知ってるのは私もあのデスゲームを観てたからよ」
ティアラは鑑定スキルや鑑定魔法を実際にして見せてから自分もあのデスゲームを観ていた事を明かした。「観ていたんですか……?」
優美華はクロノス以外の他の神にも観られていた事が分かりゾッとした。「ええ。それも世界の枠を超えて多くの神々や天使達が視聴してたわ」
ティアラは続けて多くの神々が視聴していた事も明かした。「そんな……」
優美華は多くの神々があんなデスゲームを娯楽として楽しんでいたのかと思うと反吐(へど)が出そうだった。「そんな訳で貴方はもう有名人だからここに直接招いたのよ」
ティアラは配慮の理由を明かした。
「私……」
優美華は背筋が凍る様な思いで両手を両肩へクロスさせた。
5/12.「まぁ第一に『』が悪いのよ」
「まぁ第一にクロノスが悪いのよ。彼がデスゲームを企画運営して全方位へ放送してしまったんだもの」
ティアラは全ての神が悪い訳ではないのだと優美華に分かってほしかった。
「クロノス氏が申し訳ございませんでした……!それに私達天使も止められなかった責が有ります……!」
神クロノスの命令とはいえ天使として従っていたセーナには罪悪感が有り必死に頭を下げて謝罪した。
「天使は仕えている神の命令には逆らいづらいものだから仕方無いわよ。気にしないでいいわ」
ティアラには天使達の事情が分かるしクロノスの言いなりだった天使達には罰を与えるつもりは無かった。
「はい……」
セーナはやっとまともな神に仕えられると思っていた為お咎(とが)めが無い様で安堵(あんど)した。
「それにね。この世界のあちこちで行方不明者が出てからうちの捜査部門はクロノスを追ってたの。けど中々足取りが掴めなくて捜査は難航してたのよ」
「はい……」
「でね、あちこちであまりに多くの人材が拉致されてしまったから世界を緊急停止させる程の大事件になっていたのよ?」
「そうだったんですね……」
ティアラは優美華に政府は政府でクロノスを捕まえようとしていた事やこの事件の重大さも分かってほしかった。
そしてもちろん優美華はティアラが悪人ではないと感じ取っていたし政府は政府で頑張っていた事やクロノスが悪い事も分かっている上で理解を示した。
「一応私は心配で観てたのだけど娯楽目的で観てた神々もいるのは否定出来ないわ」
しかしティアラは全ての神が善良であるとは言えなかった。
「そうですよね……」
優美華はやはり悪い神もいるのだなと思い知った。
6/12.「とりあえず『』してく事よ」
「とりあえず私から言える事は優美華ちゃんはもう自分の星を持つ神なのだから自分の星を運営してく事よ」
ティアラは優美華に優美華の役割を示そうとした。
「はい……」
優美華は気が乗らないがそうしていくつもりだった。
「緊急停止が解けるまではもう少し掛かると思うけど。それとは別に優美華ちゃんは神としての知識や戦闘術も身に付けないといけないわ」
ティアラは優美華に一人前の女神として知識や自分の身や星を守る力を身に着けてほしかった。
「そのつもりです……」
優美華はもうあんな誰も守れず無力だった自分を卒業したくて勉強する気も修行(しゅぎょう)をする気も満々だった。
「そ。ところで優美華ちゃんは他にしたい事が有るんじゃない?」
ティアラは優美華が神としてすべき事が分かっていると分かり安心すると本題に入った。
「私が他にしたい事とは……?」
優美華はティアラが何を言っているのか分からなかった。
「デスゲームで言ってた『夢』の事よ。貴方がみんなから託された願いを叶えるんでしょ?」
ティアラは優美華に本来の目的に気付いてほしかった。
「それも知ってるんですね……」
優美華は筒抜けだったんだなと思うと改めて恥ずかしさと背筋が凍る様な思いを覚えた。
「だって私の推しは裕太君だから♡」
ティアラは堂々と推しを明かした。
「どうしてですか……?」
優美華はティアラがなぜ裕太を推しているのか訊いた。
「優美華ちゃんがここにいるのがその答えよ。優美華ちゃんを最後まで守り抜いて死んだ最高の勇者様だし、他にも有るけど色々有るけどそれは秘密♡」
ティアラもアベルがさすがに寄せ集めのメンバーでファイナルまで行くとは思っていなかったのだがアベルが優秀だから好きとかではなく男女という意味で改めてより一層好きになった。
7/12.「もっと簡単に『』してたんですよね……」
「きっと私なんかがいなければ裕太君は死なずに済んでもっと簡単に優勝してたんですよね……」
優美華はティアラに言われた言葉でトラウマが再燃し自分さえいなければと思ってしまい泣き出してしまった。
「違うわ。裕太君が最後に言ってたでしょ?守るとか約束とか。勇者は守らなければいけない存在がいて初めてその真価を発揮するの。言い方を変えれば『必死になる』かしら。だから彼にとっては間違い無く貴方が心の支えになっていたはずよ。だから気にしないで」
ティアラは勇者が不特定多数を守ろうとするより愛する特定の個人を守ろうとする方が真価を発揮しやすいのを知っていた。
「はい……」
優美華は自分が裕太の心の支えになっていたのだろうとティアラに気付かされてホッとし泣き止んだ。
「で、夢の件はどうするの?」
ティアラは本題を切り出した。
「皆さんの所在を調べながら私自身は勉学と修行に励んで所在が分かり次第接触を図(はか)っていこうと思っています」
優美華は堅実に事を進めていくつもりだった。
「そうね~私としても協力してあげたいけどそれぞれどんな夢だったかしら?」
ティアラは優美華に協力するつもりではあったが優美華にどの様な夢や願いが託されているかを把握出来ない限りは協力の仕様が無かった。
「私は人生をやり直して裕太君の幼馴染になるのが夢でして裕太君も同調してくれています。ユリアとテオも私達と再会して一緒に過ごしたり冒険がしたいと言ってました。サイモンさんからは亡くなった奥さんを蘇らせてほしいと託されていて、他にも仲間の安寧(あんねい)、お金、病気の治療、死者蘇生、人生のやり直し、スキル、超能力などなどでした」
優美華は自分が託された夢や願いをティアラに話した。
8/12.「『』と思うのだけどどうかしら?」
「なるほどね~今続々と報告書が上がってきてるのだけどプレイヤー達の肉体は元の位置に戻ってデスゲームの時の記憶も残ってるみたいよ。だから聞けてない分の夢や願いは聴き取り調査をして別に死者蘇生なんて難しい事は優美華ちゃんがしなくても出来る人にやってもらったら良いと思うのだけどどうかしら?」
ティアラは現実的に対処していこうとした。
「あ……私がその魔法を覚えなくても良いんですね……」
優美華は自力でどうにかしなければいけないと思い込んでいた為簡単な方法が見つかってホッとした。
「そうね。あと非協力的な神がいたら私に言ってね♪」
ティアラは相手が誰だろうと要求を吞ませるつもりでいた。
「はい……!」
優美華は協力してくれるティアラを心強いと思った。
「ところで裕太君の幼馴染になって人生をやり直す件だけど、裕太君はまだ戻ってないから今すぐにとはいかなそうよ」
ティアラは拉致被害者の返還状況を確認しやはり裕太だけがまだ戻っていない事を再確認した。
「どうしてですか……!」
優美華はその事が理不尽に思い訳を訊いた。
「クロノスがきっと裕太の魂と体だけはどこかに持ってっちゃったのよ」
ティアラはクロノスが持ち逃げしたのだろうと踏んでいる。
「それじゃあクロノスは今どこにいるのでしょうか……!」
優美華にとっては裕太の魂と体を取り戻す事が最優先でありその為にクロノスの居場所が知りたかった。
「分からないわ。でもいずれ裕太君の魂は取り戻せるはずよ。だから私は今貴方がすべきなのは裕太君を取り戻した時に備えての裕太君の女神との関係構築や取引だと思うの」
ティアラは先を読んでおり優美華の夢を叶える為にはなるべく早く優美華とアンの関係構築と取引をすべきだと思っていた。
9/12.「『』に断られてしまったら困りますので」
「そうですよね……その方に断られてしまったら困りますので」
優美華はティアラの言った事にもっともだと思った。
「そうなのよ。で、その子は『アン』っていうんだけど裕太君にお熱で頑固なところも有るのよねぇ……」
ティアラはアンの性格を優美華に教えた。
「じゃあ私は断られてしまいますか……?」
優美華は自信が無くなってきてティアラに恐る恐る夢が実現可能か訊いた。
「私に考えが有るわ。だから『貴方次第』と言った方が良いわね」
ティアラはそれが実現可能かどうかは優美華次第だと思っていた。
「私次第なのですか……?」
優美華は何故自分次第なのかや自分が何をさせられるのかが分からず困惑した。
「そう!先ず、貴方は裕太君の事が好きなのよね?」
ティアラは優美華に最終確認をした。
「はい……!」
優美華の決意は変わらなかった。
「私も好きなのよ」
ティアラは男女の意味で裕太の事が好きだと明かした。
「え……?」
優美華はティアラが先程「私の推しは裕太君だから♡」と言っていたのは分かっているもののまさか世界神まで裕太の事が好きだったのは想定外だった。
「それに私以外にも彼の事が好きな人がいるの。それも大勢よ」
ティアラは続けて裕太の事が好きな人が他にもいる事を明かした。
「そ、そうなんですか……」
優美華は裕太はモテると思っていたし他の女性からも好かれる事は覚悟していたが大勢裕太の事が好きな人がいるのは想定外だった。
10/12.「『』に加わってくれれば協力関係になれるわ」
「でも私のグループは私と私の天使のプリシラと私の親友で魔法の世界神のカトラスの3人なの。でね、貴方にもこの私達の輪に加わってくれれば協力関係になれるわ。どうかしら?」
ティアラは優美華に竿姉妹同盟に加わってほしかった。
「ティアラ様の輪……ですか……」
優美華は裕太と2人で人生をやり直すつもりだった為共有するしか手が無いという状況になりすぐに決断が出来ずにいた。
「そうよ。――私ね、昔前世の裕太君を独占しようとしてプリシラともカトラスとも仲が悪かった時期が有るの。反省してるわ。だから今は独占なんてしないでみんなで一緒に裕太君を愛したいと思ってるの。その輪に優美華ちゃんも加わってほしいのだけどどうかしら?」
ティアラは自分の過去の失敗談を話し優美華を説得しようとした。
「加わるとどうなるんですか……?」
優美華はティアラからの誘いを受けるしか無いと思っているが受けたらどうなるのかが分からない内は決断出来なかった。
「協力し合って一緒に裕太君を愛せるの。まぁ側室や愛人みたいなものね。もちろん会費やその他面倒なコストも無し。ちなみに私は高校の英語の先生でプリシラが音楽の先生でカトラスが保健体育の先生なのよ?」
ティアラは優美華に具体例を示した。
「そうなんですか……ところでアンさんはどうなんですか?」
優美華はアンはどういう役割なのかが気になった。
「アンは部外者よ。アンはまるで昔の私みたいに本気で裕太を独占するつもりだから。正確に言うとアンとアンの星の子達以外は認めない方針だそうよ」
ティアラは優美華にアンの方針を明かした。
11/12.「『』なのに大丈夫なんですか……?」
「アンさんは部外者なんですね……でもアンさんが裕太君の女神様なのに大丈夫なんですか……?」
優美華はアンに内緒でその様な事をして大丈夫なのか心配だった。
「大丈夫よ。隠し通せば良いの。なんせ私達は世界を司(つかさど)る女神だもの。それでもし優美華ちゃんが入ってくれるなら優美華ちゃんが裕太君の幼馴染で、私達が学校の先生よ。どうかしら?」
ティアラ絶対に上手くいくと思っている。
「分かりました。私もその輪に入らせてください。宜しくお願いします……!」
優美華は加入を決断した。
「優美華ちゃんが加入を決断してくれて良かったわ♪『竿姉妹同盟』にようこそ♪」
ティアラは優美華が思い通りに加入を決断してくれてホッとした。
裕太君、待っててね……!私と一緒に必ず夢を叶えようね……!
かくして優美華はティアラ達の「竿姉妹同盟」に入会し強烈なバックアップを受けられる事となった。
(やはりあの男は本当にあの「勇者アベル」なのか……)
セーナは勇者の活躍ぶりや世界神のティアラのお熱ぶりに裕太の正体を確信し――。
「あの……私もその輪に加えさせていただいてもよろしいでしょうか……?」
――恐る恐る自分も加入したいと申し出た。
「え……セーナがどうして……?」
優美華はセーナがなぜ裕太の輪に加わりたいのかが分からなかった。
「そ、それは……私も加わりたいなと……」
セーナは空気を読み裕太の正体については言及しなかった。
12/12.「あら、貴方はいつから?」
「あら、貴方はいつから?」
ティアラはセーナがいつから気付いていたのかを訊いた。
「確信したのは今です……」
セーナは正直に話した。
「それで……貴方の彼との縁や好きになったきっかけやエピソードなどはどうなのかしら?」
ティアラはセーナが輪に加われるかどうかの試験を課した。
「それは……優秀な男の遺伝子が欲しいなと……」
セーナは故郷の影響で戦士的な本能で裕太を求めていた。
「それは理由としては弱過ぎるわね……」
ティアラはセーナには裕太への愛が無いなと思った。
「そうですか……」
セーナはついに交尾相手を見付けたと思ったのだがお目付け役に断られてしまって落胆した。
「彼と何かをきっかけに交流してみると良いわ。それで彼の事が心の底から好きになったら貴方も輪に入れてあげても良いわよ」
ティアラはセーナに健全な加入方法を提案した。
「承知しました……!」
セーナは希望を見出し裕太との理想の出逢い方を考えた。
かくしてセーナは竿姉妹同盟に加入するべく思案していく事となった。
後書き
アンは親友のマナリスにも主人公を共有するつもりは無いのでティアラ達からするとかなり強敵です。
話は変わりますが魔王国で生まれ育ったセーナは本人は先進的な思考ではあるものの魔族との交流が多かった為強いメスはより強いオスを何が何でも射止(いと)めるという思想の影響を受けています。