[R15] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 3節 12話 科学の世界の女神 – 嘆願 (ティアラ視点)
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青年男性向け – ソフト – R15
第3節 幼馴染 (第1章 勇者の村)
第 12 / 19 話
約 4,300 字 – 5 場面 (各平均 約 860 字)
1/12.「私達を助けて……!」
これはティアラとカトラスとプリシラ達が裕太となかなか付き合えず多元宇宙神サーティーン様のもとを訪れた時の事。
「お母さん……!私達を助けて……!」
「あぁお袋……!どうかあたし達を助けてくれ……!」
ティアラ達はサーティーンに助けを求めた。
「それは困ったわね」
サーティーンにとっては他人事(ひとごと)だったが一応策を巡らせた。
「ああほんとだよ!」
「ええ、困ってるの。もうどうしたら良いのか……」
ティアラ達は途方に暮れていた。
「そもそも貴方達は何に困っているの?」
サーティーンはティアラ達の事情を知っているが一応知らないふりをして訊いた。
「好きな男が全然振り向いてくんねぇんだよ……!」
「そうなの。私達が恋焦がれている勇者様が私達に全く振り向いてくれないのよ」
ティアラ達はサーティーンに事情を話した。
2/12.「じゃあ『』と特別な関係になってみない?」
そしてこれはティアラ達が裕太にアプローチしていた時の事。
「裕太君は先生の事魅力的だと思ってるんだぁ。じゃあ先生と特別な関係になってみない?」
「大変嬉しい申し出なのですが先生のようなお美しい方なら自分が生きていく為のお金もまだロクに稼げていないこんなダメな高校生を選ばずともより取り見取りのはずです。僭越ながらご自分のお体を大切になさってください」
英語の教師になり裕太に放課後に英語の勉強を見ると言って教室に呼び出したティアラは撃沈し――。
「裕太も年頃だからなぁ、色々と溜まってんだろ?あたしがヤラせてやろうか?」
「大変嬉しい申し出なのですが先生のようなお美しい方なら自分が生きていく為のお金もまだロクに稼げていないこんなダメな高校生を選ばずともより取り見取りのはずです。僭越ながらご自分のお体を大切になさってください」
――保健体育の教師になり裕太に放課後に体育倉庫の片付けを手伝ってほしいと言って体育倉庫に呼び出したカトラスも撃沈していたのだった。
そして全員教師の格好で緊急会議を始めた。
「誘惑があからさま過ぎですわよ」
プリシラはティアラとカトラスの積極っぷりに呆れていた。
「しょうがねーだろ!もうそれしか手は無かったんだからよ……!」
「そうねぇ……お弁当に誘っても断られちゃうし……」
そもそもティアラとカトラスは普通に裕太にアプローチしていたのだが全然振り向いてもらえず最終手段として年頃の裕太に対しエロスで誘惑していたのだった。
「ったくプリシラ!テメェは良いよなぁ!アベルと手を繋げたんだもんなぁ……?」
カトラスはプリシラに嫉妬していた。
「あれはエスコートの一環でしたがわたくしが出来たのはそれまででしてよ」
善戦したプリシラといえど手繋ぎ止まりだった。
「ったくどうすりゃアベルを落とせんだよ……!」
カトラスは途方に暮れて両足を机に乗せて天井を見上げた。
「そうだ!私の銀河一の娼婦ちゃんと貴方の銀河一の海賊女王ちゃんに男の落とし方を訊いてみる?」
ティアラはそういえば恋愛のテクニックを教えてくれそうな存在がいたなと思い出した。
「お!?そりゃ名案だぜ……!」
カトラスはティアラの案が名案だと思い両足を机から降ろした。
かくしてティアラ達は銀河一の娼婦と銀河一の海賊女王を呼び出した。
3/12.「貴方達から『』を落とす方法が聞きたいの」
「私達が貴方達をここに呼んだのは他でも無いわ。貴方達から意中の相手を落とす方法が聞きたいの」
ティアラは呼び出した銀河一の娼婦と銀河一の海賊女王に呼び出した訳を話した。
「意中の相手を落とす方法ねぇ……」
「恋愛……」
しかし銀河一の娼婦ルクセリアと銀河一の海賊女王マーガレットは表情が浮かばなかった。
「おいおいおい!オメェらまさか……」
カトラス達は2人の様子から察した。
「だってプロは私情を持ち込まないものよぉ?」
「私は革命で忙しくて……」
ルクセリアは普通の恋などした事が無くマーガレットも求婚を断り家を取り潰しになってから革命軍の海賊団に合流し終始怒涛(どとう)だった為恋愛をした事が無かった。
「おいマジかよ……」
再びカトラスは途方に暮れ天井を見上げた。
「じゃあ私達の恋路(こいじ)を手伝ってくれるかしら?」
ティアラは仕方無くルクセリアとマーガレットに自分達の恋路を手伝ってもらおうと思った。
「ええ、良いわよぉ」
「私で良ければ……」
ルクセリア達はティアラ達に協力する事にした。
しかしティアラ達はルクセリア達の協力が有ってもなお裕太との関係構築が出来ずサーティーンに頼る事になったのだった。
4/12.「状況は分かったわ」
そして今に至る。
「状況は分かったわ。貴方達が恋焦がれている彼は今一夫一婦制の社会に生き記憶の中の女性への思いに囚われ自由に恋愛が出来ずにいるわね」
サーティーンはティアラ達のアプローチが失敗している原因を分析した。
「そうね」
「だな!」
ティアラ達も同感だった。
「だから彼を『女好き』に導く存在が必要なのよ」
そしてサーティーンはその為アベルを「女好き」にすべきだと思っていた。
「だがどうやってやんだ?お袋」
カトラスはその方法がさっぱり分からなかった。
「彼にちょうどいい子をあてがってハーレムを築ける様に誘導してあげたら良いわ」
サーティーンは逆にその方法しか無いと思っていた。
「そうだとしてどうするのかしら?」
ティアラはライバルの誕生に少し気が乗らなかったが目的の為には仕方が無いかと思っていた。
「先ず私からも念を押しておくからその為には彼を殺してここに連れてこないといけないわ」
サーティーンとしては一旦アベルの魂をここに連れてきてほしかった。
「生かしたままじゃ駄目なのか……?」
カトラスは目的のためとはいえ裕太を死なせたくはなかった。
「駄目よ。どの神からも解放されている状況じゃなきゃ嫌」
サーティーンからすればそれは既婚者と結ばれる様なものであり独身の状態で会いたかった。
5/12.「マジかよ……」
「マジかよ……」
カトラスはサーティーンの意思に従うしか無く裕太が死ぬ事になるのを絶望した。
「別に貴方達の手を汚すつもりは無いわ。彼にちょうどいい子を探しつつ彼を殺せる様に監獄の中からちょうどいい神を選んでみるつもりよ」
サーティーンは囚人の神に一石二鳥の事をさせようと考えていた。
「お、お袋……」
妙に正義感の有るカトラスはそれがして良い事とは思えなかった。
「私はお母さんのやり方に任せるわ」
ティアラはサーティーンなら何とかしてくれると思っていたし目的の為なら手段を選んではいられなかった。
「カトラスも私に任せてくれるのかしら?」
サーティーンはカトラスに同意を求めた。
「お、おう……」
カトラスはティアラがサーティーンのやり方に従うと言っているしそれ以外に方法も思い付かなかった為渋々同意する事にした。
かくしてティアラ達はサーティーンにお願いしサーティーン流でアベル改良計画を始めたのだった。
後書き
プリシラは基本ティアラ達との会話では今まで通りに接していますが神々同士の会話となると黒子に徹しています。
ちなみにプリシラはティアラやアン同様に神になる事が出来ますが本人の意思でティアラの天使として側にいます。
というのも最初はアベルをティアラに取られたくなくて側におり、アベルを失った後はアベルを見付け出すと約束したティアラを手伝う為に側にいたものの次第に怒りが芽生えてきて二度とこの様な悲劇を繰り返さない様にという気持ちやティアラの隠している事を暴いてやるという気持ちで側にいたものの、アベルの行方が分かってからはティアラと和解し竿姉妹同盟結成という訳です。
ちなみにプリシラの「本人の意思」としては不老不死になる為に天使になっただけで生まれつき「神」という事ではなく本人の切実な思いとしてはアベルとティアラの側にいたいだけであり昔の様にその星の神はティアラでいい、という感じです。
しかしティアラは今でも多少はプリシラを出し抜こうと企んでいるので丸くなったとはいえその点ではどうしようも有りませんね。