[R15] 女好きで天才の俺様、異世界を救う (JP) – 1章 1節 3話 地球の女神 初夜の後（アン視点）

　裕太との初夜を終えた私はその翌朝早速支度を終えた裕太を私の友達がいる場所へとテレポートで送り出してあげたわ！

　そしてついに裕太も行っちゃった事だし――。

「凛穂、入ってきていいわよ！」

　――私は凛穂を呼んだわ！！

「はい、女神アン様」

　するとすぐに凛穂が部屋に入ってきたわ！！

「ふぅ、私頑張ったわよ！！！」

　私は凛穂と二人きりになったから褒めてほしくて話しかけたわ！！

「女神アン様、初体験おめでとうございます」

　凛穂が褒めてくれて私は感激よ！！！

　凛穂はそう言って今度はペプシと苺タルトを出してくれたわ！！！

「今度はペプシと苺タルトね！！いいわ！！気が利くわね！！！」

　私は同じ食べ物は二回連続で食べない主義なのよ！！！

「アン様が今は炭酸飲料と洋菓子に夢中になっておられる事は存じ上げておりますから」

　そうなのよ！！！

　アンは自分の星の文明レベルがやっと上がり美食や甘い物が楽しめるようになった事で連日のようにスイーツなどを楽しんでいた。

　ちなみにそのお金は自分の天使達のものであり自分の天使達に作らせたり買ってこさせたりしていた。

　もっと言えばアンの現代の身分証明書を持たない天使達は当然どこの会社も雇ってくれないためもれなくお優しい裕太の財閥で働いておりアンの贅沢は間接的に裕太が支えていると言っても過言ではなかった。

「痛ったたた……！！座るとまだ痛いわね……！！ヒリヒリするように痛いわ……！！！」

　アンは安心してリラックスモードに入ってソファに座ると股間に焼けるような痛みを覚えてとても痛がった。

「初めてはそういうものでございますよ、アン様」

　ん～、やけに詳しいわね 凛穂！！

「アンタ、裕太とヤってないでしょうね？？？」

　凛穂にはずっと裕太の傍に居させたんだもの！！既にしていたっておかしくないのよ！！！！

　アンは自分の天使達に先を越されるのが嫌だったため自分の天使達に裕太との性行為禁止令を出していた。

「私はそういった事はまだ致しておりません」

　ふん！そう！！嘘は吐いていないようね！！私は嘘を見破れるんだから！！！！

「私はもう済ませたし、アンタもしたいんだったらもう遠慮しなくて好きなだけヤっちゃっていいわよ？――いえ、やっぱり好きなだけはダメね！！節度を持って！！！私よりも控え目に！！！！」

　私の天使が女神の私よりも楽しむなんて絶対にダメよ！！！

　アンは自分の天使達に先を越されるだけでなく裕太と自分よりも親密になられたり楽しまれるのが嫌だった。

「さようでございますか。――それではその様にさせていただきますが」

　ふん！！そう！！！！――でも、が？？？

「が、何よ？」

　言いたい事があるならハッキリ言いなさいよ！！

「私の事もご本人にお話ししてしまってもよろしいのでしょうか？」

　あ～その事ね！！別に良いわよ！！！！

「話したいなら好きに話したら良いじゃない！！――せいぜい嫌われないようにね！！！！」

　凛穂は嘘が吐けない真面目ちゃんだからね～！今まで黙って裕太に接していたのは辛かったのかしら？？？

「アン様、ありがとうございます」

　感謝されるのも悪くないわね……！まぁ、私の後なら別に何でも良いのよ！！私だって正体明かしてるんだし！！！――それより裕太が私が天使を派遣してくれてたって知ったらどう感謝してくれるかしら？？？フフフ♡

「ねぇ、凛穂！これを見て！――私の血の付いたシーツよ！貴方ならこれの意味が分かるでしょう？？？」

　アンは大切な宝物のように裕太から貰ったシーツを抱き締めており、それを凛穂に見せ付けた。

「はい、存じ上げております。それは異世界の文化でございますよね。――この星でもアン様が流行らせようとなさりましたが、魔法が使えないこの世界では一度失った処女を元に戻す事が出来ず、今の言い方で言えば「不純異性交遊」などの確たる証拠になってしまうからと人々の間で廃れていったのでありましたね」

　そうなのよ！！残ったら良かったのに！！！――でも私の可愛い子達が決めた事なんだからしょうがないのよね！！！！

「そうよ！！！――ふふ♡凛穂はこれ羨ましい？？？♡♡♡」

　アンはシーツを抱き締めながら凛穂に意地悪そうな表情と上目遣いで視線を向けた。

「はい……」

　凛穂は素直に返事する。

（アン様は意地悪です。きっと私を責めているのでしょう）

　しっかし悔しいわ！！！！裕太を独り占めしたかったのに！！！！！

　アンは悔し過ぎてどうしてもムキー！！！となってしまった。

「どうして女共を止められなかったのよ！！！」

　凛穂なら絶対に妨害出来たはずなのに！！！！！

　アンは凛穂に裕太の異性交遊を妨害するようにと命じておりその結果が非常に不満だった。

「裕太様が積極的になられたのは高校に進学なさった頃からですが、その頃にアン様もそのお姿で裕太様の前にお出になられれば良かったではありませんか」

　それはそうなんだけど……！！！！

「18歳未満はダメでしょ！！！！」

　この星の女神の私がこの星のルールを破る訳にはいかないじゃない！！！！

「ですから私はアン様に裕太様の幼馴染としてご一緒にお育ちになり、進学されていく流れはいかがでしょうか？と何度も提案したではありませんか！」

　……。

「第一女神の私がそのためだけに偽装家族を作る訳にはいかないじゃない！！！！――それに私には彼に合わせる顔が無いんだもの！！！！！」

　その頃はまだ自分でもどうしたらいいか分からなかったんだもの……！！！！

「では此度はなぜお会いになられたのですか？」

　……。

「友達の星を救うためなんだから仕方ないじゃない！！！！」

　私だって出来たら裕太に自由に暮らさせてあげたかったわよ！！！！

　でも二度と裕太を失わないためにはこうするしかないのよ！！！！！

（アン様、私はこの星の創成期よりアン様にお仕えしているのでございますよ。――それが建前である事くらい私には筒抜けでございます）

「しかし想定外でしたね。あれ程次々に乙女達を口説き落としていかれるとは」

　想定外なんてレベルじゃないわよ……！！！！！

「とりあえず今まで彼を守ってくれた事には感謝しているわ！！！それに私の言い付け通り彼とも性交渉はしていないようだし！！！これからもよろしく頼むわね！！！！」

　これが私には何よりよ！！――裕太が私と出会う前に刺されて殺されちゃったり、事故で死んじゃったりとか私の天使や他の女神に出し抜かれたりしたらしゃれにならないもの！！！！！

「アン様のお役に立てて恐悦至極にございます。――はい、この凛穂、引き続き喜んでその任にあたらせていただきます」

　ふっふ～ん、そう！！！「喜んで」は引っ掛かるけどまぁいいわ！！！！

「しかしこの屋敷を見て！！！この屋敷ももう私の家も同然なのよ！！！！！」

　アンは嬉しそうに大手を広げて凛穂に誇示する。

「さようでございます。――アン様、おめでとうございます」

　ふん！！凛穂はからかい甲斐がないわね！！！

　少しくらい悔しそうにしてくれたっていいのに！！！！

　アンは凛穂が自分を差し置いて裕太と親密そうに過ごしてきている事を知っており完全に嫉妬しライバルとして見ていた。

（私はどこまでいってもアン様にお仕えする天使である事に変わりありませんから。――いずれにせよアン様の願いが叶ったようで私、凛穂は何よりでございます）

　しっかしこうなってくると裕太の他の女達が邪魔になってくるわね……！！！！

　イライラするわ……！！！！

　でもこの星の可愛い子達に変わりないのよね……！！！！じれったいわ……！！！！！

　あんなに奥手だったのにどうしてあんなに積極的になっちゃってるのよ……！！！！！

　――いつの間に一体何があったのよ……！！！！！！

　……まぁ私の計画の邪魔にならないならどれも些末な事よ！！

　――裕太、早く帰ってこないかしら！！！！

　かくしてアンは裕太の帰還を待つ事となった。