[R15] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 2節 16話 魔王の女神 – 魔王ジェイド (ベアトリスの視点)

前書き

青年男性向け – ソフト – R15

第2節 異世界の女神 (第1章 勇者の村)

第 16 / 28 話

約 7,900 字 – 10 場面 (各平均 約 790 字)

1/10.「起きて!」

「起きて!ジェイド!」

ベアトリスはユウタの魂を持つジェイドを揺すって起こそうとした。

*隣国の魔族の王女ベアトリスが同じく隣国の魔族の王子ジェイドのもとへ外遊(がいゆう)という名の遊びに来ている。

「おはよう、ベアトリス」

ジェイドはベアトリスに起こされた。

「ねぇジェイド!私 他にやる事があるから先にダイニングルームに行ってて!」

ベアトリスはしたい事があった。

「分かった、先に行ってるね。ベアトリスもすぐにおいでね」

(何かなぁ?)

「ええ、待っててね!」

ベアトリスが微笑んでそう言うとジェイドは寝室から出て行った。

「来て、リーズ」

ベアトリスが自分に仕えている天使リーズの名前を念話で呼ぶと――。

「何(なに)にゃ?」

――リーズが扉を開けて現れた。

*リーズは今はメイドの格好でベアトリスの侍女としての役割を与えられている。*

「昨日ジェイドが寝言で『アベル』だと『ユウタ』だの言ってたんだけど誰の事なのか調べて。くれぐれも慎重に」

ジェイドが時々寝言でアベルだとかユウタだとか言ってるけど一体誰の事を言っているのか見当も付かないのよね。

きっと前世の名前なのだろうけど。

「直ちに調べてくるにゃ!」

リーズはそう言うとテレポートしていった。

ベアトリスは今までに無い上物(じょうもの)の魂を手に入れたので自分が一番好きでまだ成功した事が無い隣国の王子様と王女様の2人が結ばれる為に数多の魔王達を下し超大陸を統一するという設定で世界を組んでいた。

当然ジェイドとベアトリスは婚前交渉をしていないのだがベアトリスの一緒に寝たいという要望でジェイドは幼い頃から毎晩一緒に寝てくれている。

かくしてベアトリスはリーズに命令すると遅れてジェイドの元へと向かった。

2/10.「今日は何する?」

そしてベアトリスはジェイドと合流しいつものように一緒に楽しく食事をする。

「ねぇ、ジェイド!今日は何する?」

ジェイドは絶対にあたしの期待を裏切らない。

「稽古は絶対にしないといけないから、その後(あと)ならどんな事でも付き合ってあげられるよ」

ジェイドは本当にどんな事にでも付き合ってくれるし、――。

「じゃあ城下町で一緒にお買い物しましょ!」

――絶対に断らなかった。

ベアトリスは勇者がここまでしてくれるのは生まれて初めての事だった。

インテリ系の魔王なら勉強の邪魔だとか、戦闘系の魔王なら修練の邪魔だとか言われ邪見にされるたびに冷めてリセットしていたのだった。

「良いね!でも使うお金は僕のお金ね」

そしてジェイドは絶対に私の富も名声も何もかもを利用しようとしない。むしろ与えてくれる。

彼には邪悪さや下心(したごころ)というものが無かった。

ベアトリスは初めての展開に驚きを隠せなかった。

「分かったわ!ありがとう!」

そしてベアトリスはそんな幸せな毎日に癒されていた。

かくしてジェイドとベアトリスは食事を終えた。

3/10.「その調子では『』をお守り出来ませんよ」

そしてジェイドはいつもの稽古を始めた。

「ジェイド殿下、その調子では未来の王妃様ををお守り出来ませんよ」

ジェイドは稽古用の木製の剣で必死にバン!バン!バン!と指導役の魔将アーベルと幾度も斬り合っている。

*魔将アーベルはジェイド側の魔将*

そしてジェイドは剣を両手で持っており魔将は片手で持っている。

「分かっています!」

指導役は魔将でありジェイドは全く勝てる気がしていないのだが必死に騎士団長の攻撃を防げば防御を破ろうとしている。

「ジェイド~!頑張って~!」

ベアトリスはジェイドの稽古の様子を見守りエールを送っている。

「その調子だぜジェイド!アーベルをやっちまえ!」

魔将カトラスもジェイドを応援していた。

*魔将カトラスもジェイド側の魔将*

「だそうですよ、ジェイド殿下。私を女だと思って手加減せず真剣に打ち合ってきてください」

魔将はジェイドに余裕そうにそう言ってきたがジェイドはベアトリスとカトラスのエールが聞こえてきてやる気がみなぎってきた。

*魔将アーベルがジェイドに剣術を教え魔将カトラスがダンジョンなどへの遠征で対魔獣戦の指導を担当している。*

「分かりました!応援してくれているベアトリスと部下の為に!」

全身に魔力をみなぎらせ肉体を強化し身体能力を向上させ、剣筋が早さを増した。

(おや、これが殿下の本気ですか?――まだまだ強くなれるはずだと思いますが私も手を抜けば一本取られてしまいそうです)

ジェイドが一度でも魔将の体に剣を当てれば勝ちというルールで日々稽古をし続けている。

ジェイドがあたしのために頑張ってくれてるよ!!キャ~!!!ジェイド~~!!!!

この中で一番強いのは圧倒的に女神であるベアトリスなのだが、ベアトリスはお姫様プレイが大好きなのであくまで未来の大魔王様を支える許嫁のお姫様ポジションを思う存分に楽しんでいた。

「うおおおおおお!!!!!!」

(ま、まずいです……!!!!!)

ジェイドはさらに加速し、そしてついに――。

4/10.「やった!『』が勝った!」

「やった!ジェイドが勝った!」

バン!とジェイドの木製の剣が魔将の体に当たりベアトリスは大変喜んでいる。

「やるじゃねぇかジェイド!」

(まだまだ鍛錬が必要だがこいつは伸びる。てかあたしの名前知ってたし間違いねぇ……!)

カトラスも異常に喜んでいた。

いよいよですね。

「参りましたジェイド殿下、真(まこと)にお強くなられましたね」

魔将もジェイドがよくぞ一本取るまでに成長したものだと感慨深く感動していた。

「アーベル閣下のご指導のおかげです。ありがとうございました」

アベルは今までの感謝を込めて魔将にありがとうを言った。

「まだ一本を取った程度です。修行の道はまだまだですよ。ほら、次は油断しません。かかってきなさい」

剣の道はまだまだ長かった。

「はい!」

そして稽古はまだまだ続いた。

「リーズ、いる?」

ベアトリスは暗がりに隠れていたリーズに話し掛けた。

「はい。いますにゃ!」

(いよいよかにゃ)

「ジェイドが魔将とやり合えるまでになったから次の段階に進めて」

いよいよね。物語は動き出すの。

ベアトリスはジェイドが魔将と互角になった為次の段階に進めるべくリーズにその指示を出した。

「はいにゃ!」

リーズはベアトリスからの命を受けると再び消えていった。

かくしてジェイドは剣の腕が魔将と互角に戦えるまで上達し、ベアトリスは世界を次の段階へと進めた。

5/10.「よっ!王国一の『』!」

そして稽古を終えたジェイドとその様子を見守っていたベアトリスは約束していたお買い物に出掛けると――。

「ジェイド様ー!ベアトリス様ー!」

「よっ!王国一のカップル!」

「お2人のご結婚を楽しみに待っております!」

――などとジェイドとベアトリスは待ちゆく人々から歓声を掛けられた。

というのもジェイドとベアトリスは王国の民から愛されているのだ。

それはジェイドが若くして内政に関わりギルドを整備するなどして民の雇用と所得と治安が安定し全ての民に給付金まで配っていたのでただでさえ愛されていたのにその人気に拍車が掛かっていた。

「私達愛されてるね」

ベアトリスはジェイドの手を握った。

「ベアトリスが素敵だからだよ」

す、凄い!あたしの胸キュンキュンしちゃう!ジェイド最高ー!

「ジェイドったら♡」

ベアトリスは顔を赤らめた。

「で、ベアトリスはどのお店に行きたい?」

店ならもう何でも良いんだけどねぇ、まぁどうせならあたしの趣味全開でいっかな。

「私はお裁縫かぬいぐるみのお店に行きたいな。――ジェイドは?」

良いんだよ、武具屋とか男っぽい店でも。

「僕もお裁縫とぬいぐるみが大好きだから、そのお店に行こっか!」

ジェイド~!貴方は本当に最高だよ~!

ベアトリスは自分の趣味を受け入れてくれた魔王が初めてで正直魔王という存在が自分の趣味を受け入れてくれる事など未来永劫無いのだろうと思ってしまうぐらいに諦めていたのだが自分の趣味を相手が受け入れられた事は初めての事で本当に嬉しかった。

「ええ、行きましょう!」

かくしてジェイドとベアトリスはお裁縫とぬいぐるみのお店に行きお買い物を楽しんだ。

6/10.「大変でございます!」

そしてジェイドとベアトリスはお買い物を幸せに思う存分楽しみ魔王城に戻ったのだが――。

「ジェイド様!ベアトリス様!大変でございます!我が国とベアトリス様のお国の魔王陛下と王妃殿下が暗殺されました!」

衝撃的な訃報(ふほう)が入ってきた。

「な、何ですって……!?お、お父様お母様……!」

ベアトリスは意気消沈しその場に座り込んでしまった。

ベアトリスもまさか両国の魔王と王妃が殺されるとは思っていなかったのだ。

*ベアトリスはリーズ経由で縁談を正式に断ったのだがまさかこんなにも早く事態が急変するとは思っていなかった。*

*ジェイドとベアトリスはジェイドの国にいるのだが2人の両親は外遊でベアトリスの国にいた。*

(いやぁ、ちと与えた魔王の魂が強すぎちったかな……まぁ……時には上手くいかねぇのが人生ってもんだ……!大陸統一がんば……!)

カトラスはアベルの晴れ舞台にと思いアーベル経由で強者(つわもの)の魂を流したのだがちょっと強すぎたかな?と後悔したが――。

(いや、でも待てよ……アベルの魂を回収したいんだったらアベルが討たれた方が良いんだからこれで良いんだったわ!忘れてたぜ!)

――そうでもしないとアベルは死なないと思いむしろそれで良いんだと思うと元気が出てきたのだった。

だってあいつ稽古の時には力を隠してるけど本当は2段階も上だしな。

強者(つわもの)のカトラスにはジェイドが縛りプレイをしているのがお見通しだった。

*もちろん自身もアベルの様な勇者を目指しているアーベルも実力者である為ジェイドの実力には気付いていて実力を発揮(はっき)させるべく煽(あお)っていた。*

「ベアトリス……僕はずっと君の傍(そば)にいるから……」

ジェイドは悲しむベアトリスに少しでも寄り添ってあげたかった。

「ありがとうジェイド……」

ベアトリスはジェイドを抱き締めた。

*ジェイドはベアトリスが嫌がると思って自ら手も繋ごうとしないからベアトリスの方から積極的にスキンシップを図(はか)っている。*

お父様とお母様が亡くなって凄く悲しいけど……ジェイドがこんなにも私を大切にしてくれるから嬉しくて……。

ジェイドはベアトリスがしてほしかった事を100点満点にこなしてくれていた。

かくして魔王城も城下町も王国中も一瞬にして悲しみに包まれた。

7/10.「僕にどんな『』になってほしい?」

そしてジェイドとベアトリスは部屋で2人きりになった。

「ねぇベアトリス。ベアトリスは僕にどんな魔王になってほしい?」

ジェイドはベアトリスに理想の魔王像を訊いた。

「そうね~強くて優しくて、私を王妃としてずっと傍(そば)に置いてくれて、復讐を果たして平和の為に諸王を下して大陸を統一してくれる魔王様になってほしいな。あと出来れば口調も魔王らしくなってくれたら完璧かも!やっぱり魔王って命令口調で偉そうな感じっていうか、ね!あとは魔剣とか使いこなして闇の魔法なんかもどんどん使っていってほしい!敵の大軍勢を蹴散(けち)らしちゃったりとかね!もちろんいずれ最強の魔王になってほしい!」

まぁこんなものかなぁ~若干詰め過ぎた気もするけど。

「良いだろう。俺様がお前の望みを出来る限り何でも叶えて大陸も統一してやる。――でどうだ?」

ベアトリスは思わず息を呑んだ。

ジェイドは一瞬にして目つきも顔つきも口調もベアトリス好みの魔王に変貌したのだ。

「ええ♡頑張ってね♡」

かくしてジェイドはベアトリス好みの理想の魔王になった。

8/10.「『』を届けに参りました」

そして敵国の使者 オスヴィンがやってきた。

「贈り物を届けに参りました」

そして使者は贈り物とやらを玉座の間で玉座に座っているジェイドと王妃の座に座っているベアトリスの前に並べた。

「キャ~~~!!!!」

するとメイド達の悲鳴が上がった。

「お父様……!お母様……!!」

それは両国の魔王と王妃の生首だった。

「我が国の魔王様はベアトリス王女と結婚し両国を併合すると仰せです!」

(この青二才共が、いっちょ前に玉座に座りやがって、どうだ、両親の生首を見てビビっただろう?オシッコもチビったんじゃないか?――命が惜しけりゃとっとと大人しく命令に従いやがれ!!!!まぁ、王女は我が魔王様の王妃、王子は処刑と確定しているんですがね、へっへっへ)

使者は心の中でそう思いながら下卑た笑みを浮かべていた。

「どうしようジェイド……!私ジェイド以外の人と結婚させられるの嫌だよ……助けてジェイド……!」

ベアトリスは目をうるうるとさせ上目遣いで助けてと懇願した。

(どうします?ジェイド殿下)

アーベルはジェイドの決断を見守った。

「ベアトリス様と我が国の魔王陛下のご結婚はもう決まっており式の手配も進んでおるのです!諦めなさい!」

ジェイドはブチ切れ無言で玉座から立ち使者に近づいた。

「さぁ、私の前で土下座(どげざ)し命乞(いのちご)いしなさい!さすれば命だけは見逃してやりましょう」

(へっへっへ、勿論 見逃してはやりませんが)

「貴様が俺様に土下座し命乞いしろ」

ジェイドは一瞬にして縮地しそう言うと使者の顔面を殴り使者の体は向こう側まで吹っ飛んでしまった。

(おーやるじゃねぇかジェイド。もうすっかり魔王だぜ)

カトラスはジェイドの実力を認めた。

な、なんて力……!

ジェイドはこの世界の魔法と肉体の仕組みを理解し1人の時に魔力と肉体の修練を毎日欠かさず行っておりベアトリスの前では引かれると思って手加減していたのがもう手加減している状況ではない為その全力を開放した。

その場にいた誰もが驚いていた。

「き、貴様ぁ!貴様が今 私に何をしたか分かっているのかぁ!――外交問題になるぞ!戦争だぞ戦争!」

使者はハァハァ言い時々声が裏返りながら大声を上げているがジェイドは気にせず使者の胸倉を掴み上げ――。

「上等だ、この俺様が直々にお前もお前の国もお前の魔王も捻り潰してやる。あとな、俺様はジェイド・アンベール・レアンドル・マティアス・マクシミリアン・ヴァレール・ヴィルジール・ベルナール、このベルナール魔王国の魔王にして王妃ベアトリスの夫だ。そして喜べ。この俺様の名をお前の記憶と体にこの俺様が直々に刻み込んでやる」

――宣言した。

きゃ~!ジェイド最高~!

ベアトリスは心底幸せだった。

*「こちら、オペレーション・デーモン。対象の魔王への覚醒確認。しかし魂色(こんしょく)変化無し」*

*「覚醒って具体的には?」*

*「悲劇と強敵に直面し隠していた力を開放。実力、言動共に魔王そのものです」*

*「分かったわ。引き続き監視を続けて」*

*「イエッサー!」*

*使者オスヴィンは貴族であり決して弱い訳ではない。また仕えている魔王が支配地域を拡大させる事で自身の権力も増やす事を狙っており、正確には手柄を挙げる事で自国での出世やベルナール魔王国かフェリクス魔王国での出来れば支配地域総督や傀儡政権の実質的な支配者の座を狙っておりまたその支配地域で偉そうに振る舞い奴隷売買などといった闇ビジネスで大儲けしたいと企(たくら)んでいる。*

9/10.「やっちゃえ!」

そして使者が全身複雑骨折するまで名を刻み込むように殴(なぐ)り蹴(け)り嬲(なぶ)った。

この世界ではこれはベアトリスの趣味なのだが平民なら苗字が1つ、男爵には2つ、子爵には3つ、伯爵には4つ、侯爵には5つ、公爵には6つ、そして王には7つが与えられる(保有出来る)ようになっておりジェイドは王になった為苗字が7つになった。

「やっちゃえジェイド!」

ベアトリスがそう応援してくれたのでジェイドはこの姿がベアトリスにとっての理想の魔王の姿なのだと自信を持った。

理不尽な要求は突っぱね調子に乗った輩には鉄拳制裁を加える。これが有るべき魔王の姿よね!

ベアトリスは心の中でそう思いながら腕を組みうなずいた。

かくしてジェイドは使者を半殺しにし正式に魔王に即位すると敵の魔王との戦争に突入していった。

*ベアトリスには弟がおりその弟はベアトリスの国フェリクス魔王国にいるのだが両国の魔王と王妃は殺されたものの人質(ひとじち)としての役割や統治後の傀儡(かいらい)政権樹立(じゅりつ)の為にも生かされ地下牢(ろう)に幽閉(ゆうへい)されている。*

10/10.「今よろしいかにゃ?」

そしてリーズはジェイドが寝言で言っていた「アベル」と「ユウタ」についての調査報告をベアトリスにしようとした。

「ベアトリス様、『アベル』と『ユウタ』の調査報告の事にゃけど、今よろしいかにゃ?」

リーズはベアトリスが誰にも見られず聴かれない場所で1人になったタイミングを見計らい現れベアトリスにそう訊いた。

「ええ、今話せるわよ。で、どうだったの?」

ベアトリスはその二つの名前はジェイドの前世の名前なのだろうと見当は付いていたがその先の事がさっぱり分からないでいた。

「それがどちらも勇者の名前みたいだにゃ。で『アベル』は勇者アベル物語のアベルかもしれないみたいにゃ。で『ユウタ』は女神アンの時の勇者の名前だったにゃ。あとこれは補足にゃけど勇者アベル物語のアベルはかなり有名な勇者みたいにゃ」

リーズは確信出来てはいなかったが今分かっている範囲内でベアトリスに調査報告をした。

「ジェイドは有名な勇者だったのね。まぁ確かにそうなのかも。毎日凄いもの。ときめかない女神なんていないわよ。毎日私の為に頑張ってあんなに魔王らしく成長してくれたもの。でも前世が何だったとしても私は幸せだし今のジェイドが大好きだし愛してるから」

ベアトリスは有名な勇者と聞いてなんだか納得していたが魔王好きのベアトリスは勇者については全く知らなかった為アベルの凄さを全く実感出来ずまだ女神受けするSかSS級勇者としか見ていなかったのだがジェイドの前世が何(なん)であれジェイドとの日々に毎日キュンキュンし幸せに満喫していた。

「ベアトリス様が幸せなら私も幸せだにゃ!嬉しいにゃ!」

リーズはベアトリスが幸せそうでまるで自分の事の様に嬉しかった。

「ありがとうリーズ。また何か分かったら教えてね」

ベアトリスはリーズの頭を優しく撫(な)でた。

「どういたしましてにゃ!任せてくださいにゃ!」

リーズはケモ耳と尻尾を揺ら揺らさせ頭を優しく撫(な)でられた。

かくしてベアトリスはリーズから「アベル」と「ユウタ」の調査報告を受けたのだが「アベル」と聞いても全くピンときておらず前世が有名な勇者で金100トンを1ゴールドとした時の3000ゴールドという破格の安さの割にはもの凄く自分好みに活躍してくれている前世は勇者の今は魔王様、ぐらいの印象しか持てなかったのだった。

後書き

両方も魔王がやられるというのは相当の事です。

つまり敵は1つ格上のSSランクの魔王という事です。

まぁSSSランクならもはや魔神の領域ですからね。

まぁいずれにせよ全ては「オペレーション・デーモン」の手の平(ひら)の上という事です(笑)

またアベルと夫婦で冒険者をするのが夢なカトラスは少しでもその夢を叶えるべくダンジョンの中へはジェイドと2人で潜(もぐ)り街の冒険者ギルドでも冒険者登録を行いお忍(しの)びだからと夫婦設定でクエストも受注しています(笑)

が、ベアトリスの存在が有るからと夜這(よば)いといったあらゆる誘惑を跳(は)ね除(の)けられ側室案もベアトリスに断られどうしたら良いものかと頭を抱(かか)えているという感じです(笑)

「あたしはどうすりゃ良いってんだよー!ちくしょー!」

カトラスはどこまでも青く広がっている空に心の叫(さけ)びをぶつけた。

(笑)

まぁアベルは鉄壁のガードでも有名ですからね。

女神様や相手の為ならラッキーすけべにも動じず浮気しませんから。