[R15] 優しく俺様系で女が好きな天才新社会人、異世界を救う (JP) – 1章 2節 3話 異世界の女神 – 初夜の後 (マナリスの視点)
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青年男性向け – ソフト – R15
第2節 異世界の女神 (第1章 勇者の村)
第 3 / 27 話
約 2,800 字 – 3 場面 (各平均 約 930 字)
1/3.「昨晩はお楽しみでしたね」
わたくしはこの星の女神マナリスです。
ユウタさんとの初夜を終え、ユウタさんを元の世界に帰したわたくしは現在わたくしに仕えてくださっている天使ラヴリスとお話しています。
あぁ、お股の辺りがジンジンと痛みます♡これが純潔を捧げる痛みなのですね♡ですから痛みを感じる程わたくしは幸せです!!♡♡
「マナリス様、昨晩はお楽しみでしたね」
ラヴリスはわたくしにとって最も信頼できる天使です。
そんなラヴリスが私に紅茶と茶菓子を出してくださりながら、私をからかってきました。
「ラヴリスったら、そんな恥ずかしい事を言わないでください」
恥ずかしいです。でもなんだか嬉しいのです。この気持ちは一体何なのでしょう?
「マナリス様、これが本日のアン様からのマナポーションです」
ラヴリスがわたくしにマナポーションを手渡そうとしてきました。
ラヴリスは、いつもわたくしの代わりにアンからマナポーションを貰ってきてくださるのです。
「ありがとうございます、ラヴリス」
わたくしはラヴリスからマナポーションを受け取ると、さっそく飲んでいきます。
「マナリス様、お元気になられましたね。それもユウタさんのおかげですか?」
ラヴリスはきっとわたくしが愛のおかげで機嫌が良くなり、体調も良くなったと考えているのでしょう。
わたくしも同感です。
「はい♡きっとそうです♡」
わたくしは顔を赤らめてしまいました。
2/3.「どういったところを気に入られたのですか?」
「マナリス様は、ユウタ氏のどういったところを気に入られたのですか?」
代表的な部分を1つ挙げるとしたら――。
「たくさんありますが、やはりお優しいところでしょうか♡」
――これでしょう。ユウタさんはとってもお優しいのです。
「マナリス様を誑(たぶら)かしたような方が、本当にお優しいのですか?」
ラヴリス、何て酷い事を……。
ラヴリスはユウタさんの事を疑っているのでしょうか。
いくらラヴリスといえども、ユウタさんを悪く言うのはわたくし許せません。
「ラヴリス、何て事をおっしゃるのですか!私は誑かされてなどいませんし、ユウタさんは本当にお優しい殿方なのですよ」
「ラヴリス、貴方がいくらわたくしが最も信頼を寄せている天使といえども、ユウタさんに対してそのような事をおっしゃるのなら、わたくしは決して許しませんよ!」
ユウタさんは無報酬でわたくしの世界を救おうとなさってくれているというのに……。
「マナリス様、私はマナリス様にお仕えする天使の1人として、どうしても見過ごす訳にはいかないのです。その方がどのようにお優しいのか、なぜそれほどマナリス様が気に入っておられるのか、お教えください」
ユウタさん、わたくしの天使が無礼な事を申してしまい、申し訳ございません……。
「ユウタさんは、何ら縁もないこの世界とわたくしをお助けするために、元の世界でのお暮らしを捨て無報酬でわたくしの勇者様になってくださり、この世界に転移なさったのですよ。それも魔素の無い世界から、魔素に一切慣れていないお体でSSSランク・ダンジョンのお膝元へ、です」
「そのような事をなさるお方が、お優しくない訳がないでしょう?これだけでもわたくしがユウタさんを気に入った理由として、余り有る程であるとわたくしは思います」
わたくしとした事が、ずっとわたくしに仕えてくださっているラヴリスに、つい語気を強めてしまいました。
このような事は生まれて初めてです。許してください、ラヴリス。わたくしを少し怒らせてしまった貴方も悪いのですよ。
3/3.「本当に無報酬なのですか?」
「本当に無報酬なのですか?」
ラヴリス、どうしてわたくしが言った事を信じてくださらないのですか?
「はい、無報酬です♡ユウタさんはわたくしに何ら見返りを求めず、わたくしとその世界が置かれている現状についてを積極的に質問され、解決方法も真剣に考えてくださり、具体的な提案も自らされ、わたくしの体調も気遣ってくださって、――」
「――ご神託も最悪Bランクの冒険者パーティーと、魔素中毒を治療するための回復魔法士を現地に派遣してくださるだけでもありがたいです、とおっしゃっていた程の謙虚なお方なのですよ♡」
「そしてユウタさんのお優しさにすがり、断られたり交渉が決裂したりしてしまう事を恐れ、見返りのお話もできなかった、こんな酷い女神をとても愛してもくださっているのです♡」
ラヴリスはまだ信じてくださっていない様子です。
「そんなに謙虚でお優しい人間が、本当におられるのですか?」
ラヴリス……。わたくしはラヴリスに呆れてしまいました。
「はい、現におられたのです♡私の言葉をお信じにならないのなら、ご自分で彼に直接お会いになられてはいかがですか?♡ただし彼に危害を加えるような真似は一切許しませんよ!」
わたくしは今のラヴリスには何を言っても無駄だと思いました。ですので彼に直接会っていただきたいのです。
「承知いたしました。ではマナリス様、このラヴリス、マナリス様の使徒が地上に降り立ち次第、見定めるため行ってまいります」
あぁ、ラヴリスがわたくしが言っている事を全く信じてくださいません……ラヴリスがユウタさんに何か粗相をしなければよいのですが……わたくしはユウタさんに幸があらんことを祈るばかりです……。
*(こりゃ面白くなってきたねぇ!もっとこじれろぉ!!☆)*
後書き
まぁ「無料(ただ)より高い物は無い」なんて言いますし何か裏が有るのではないか?と勘繰ってしまうのも無理は無いですよね。
しかし「無償の善意」を信じられないのも悲しい話ですが世の中詐欺も多いですし疑う心を持つのは健全なのだと思います。
でもラヴリスは新勇者を否定したい欲求、粗探し欲求が強い感じです。
そして波乱を望むよこしまな存在もまたいるのでした(笑)